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名古屋夏の陣:原告側第2準備書面

請求の原因に対する認否2(1)について
被告が主張するとおり,原告と被告との間には2件のカード会員契約が存在しているが,
これら2件のカード会員契約は金銭消費貸借契約の基本契約の部分は共通しており一連一体の契約である。
また,一連一体の契約でないと判断されたとしても,
2件のカード契約はほぼ同時期に取引されており過払金に対しては当然充当の法定理の適用を受け,
その結果,引直計算により算出された金額は一連一体で計算した金額と同じとなる。上記,基本契約が同一であること,
当然充当の法定理の適用を受けることについては,本準備書面の後段 原告の主張 において説明する。

2) 請求の原因に対する認否2(2)について
被告提出の利息制限法計算シート(乙3及び乙4)で明らかなとおり,原告と被告との取引には過払金が発生している。
また,被告提出準備書面(2)2 貸付に関するもの 及び同4 原告への取引履歴開示後に,原告より入金があった点 の指摘を受け確認したところ,原告の計算に誤りがあった。
正確な金額については後日引直計算書を提出し訂正する。

4) 被告の主張(4)について
①について
各取引の実体を見る場合,まず,本件における2つの契約の金銭消費貸借に関する契約内容を見るべきである。
先に述べたとおり,JUカード契約の金銭消費貸借に関する事項を詳しく見れば,後のアメニティカード契約と契約内容が同一であり,
2つの契約は一連一体の契約であることは明らかである。
②③について
被告の「基本契約を別個に締結する場合,特にカード契約などを別個に契約する場合,
借主としては「利用限度額が別途設定される」ことを目的とすることが多々ある。」という主張に関しては原告は不知である。
原告はJUカード契約及びアメニティカード契約を別々の契約と認める気はないが,百歩譲って個別の契約だとしても,
貸主,借主同一の複数の債権に関しては貸主,借主の意思に拘わらず当然充当の法定理の適用を受けることは間違いない。
昭和39年11月18日大法廷判決は「弁済期を異にする3口の元本債権がある本件の場合」とあり,
昭和43年10月29日最高裁第3小法廷判決は「本件のように数口の貸金債権が存在し」とあるように,別口の貸付金への充当は確立した判例法理である。
両判決とも数口の貸付金は異なる契約によるものであり,基本契約の有無など全く要件とはされていない。
また,札幌高裁平成14年10月25日は,「同一貸主・借主間で発生した過払金は,その時点で存在し,及びそれ以降において発生する同一当事者間の他の債権に債権者の期限の利益を考慮することなく当然に充当される」と判示し,最高裁第2小法廷は平成15年9月12日に不受理決定を出して確定している。
したがって基本契約を別々にする場合においても基本契約を越えての相互充当は認められる。さらにいうなら借主があえて別個の残高計算を望んでいるという借主の意思すら排除され当然充当される。

5) 被告の主張(5)について
本件における2件の契約の金銭消費貸借に関する契約内容は同一であり,
2件の契約においては,JUカード契約の金銭消費貸借に関する事項を金銭消費貸借の基本契約ととらえるべきであり,
また,貸主,借主同一の金銭消費貸借に関しては当然充当の法定理の適用を受け,これは借主の意思すら排除される。
先に述べたとおり,被告が19.2.13 判決を引用すること自体失当であるので,被告の主張は何ら説得力を持たず,
本件における2件の契約は一連一体のものとして引直計算されるべきである。

6) 被告の主張(6)について
①被告の主張「基本契約に基づく取引を一連一体のものとして,利息制限法所定の利率による引き直し計算をし,
ある時点で発生した過払金を,その後に発生した新たな債務に充当するという計算方法が当然に認められるものではない。」
については原告は不知である。
先に述べたとおり,本件において先行するJUカードの過払い金が発生したのは遅くとも平成11年8月吉日であり,
その時点でアメニティカード契約における債務は存在していた。
したがって被告の主張する「その後に発生した新たな債務」には該当しない。

②平成19年6月7日最高裁判決(以下、「19.6.7 判決」という。)を被告は引用するが,失当である。
以下,19.6.7 判決の引用抜粋「弁済によって過払金が発生しても、その当時他の借入金債務が存在しなかった場合には」
本件には該当しない。

③19.6.7 判決では,原審での事実を以下のように認めている。以下,長文だが引用する。
「原告は,昭和63年6月ころ,被告との間で,原告を会員とするクレジットカード会員契約を締結し,
原告に対し,「Aカード」という名称のクレジットカードを交付した。
上記契約には金銭消費貸借に関する契約の条項(以下,この条項を「本件基本契約1」という。)が含まれていたところ,
後記(4)記載の期間における本件基本契約1の内容は,次のとおりである。
ア借入方法
会員は,借入限度額の範囲内において1万円単位で繰り返し上告人から金員の借入れをすることができる。
イ返済方法
指定された回数に応じて毎月同額の元本及び利息を分割して返済する方法(いわゆる元利均等分割返済方式),
毎月末日の借入残高に応じて定められる一定額を返済する方法(いわゆる残高スライドリボルビング方式)
又は1回払の方法の中から会員が選択する。
ウ借入利率
元利均等分割返済方式による借入れにつき原則として年26.4%,
それ以外の返済方式による借入れにつき原則として年27.6%とする。
エ利息の計算方法
前月27日の返済後の残元金に対し前月28日から当月27日までの実質年利(日割計算)を乗じて算出する。
オ返済金の支払方法
毎月27日に会員の指定口座からの口座振替の方法により支払う。

(3) 被告は,平成3年12月ころ,原告との間で,原告を会員とするローンカード会員契約
(以下「本件基本契約2」といい,本件基本契約1と併せて「本件各基本契約」という。)を締結し,
原告に対し,「B」という名称のローンカードを交付した。
後記(4)記載の期間における上記契約の内容は,次のとおりである。
ア借入方法
会員は,借入限度額の範囲内において1万円単位で繰り返し上告人から金員の借入れをすることができる。
イ返済方法
翌月に一括して返済する方法又は毎月の借入残高に応じて定められる一定額を返済する方法
(いわゆる残高スライドリボルビング方式)のいずれかから会員が選択する。
ウ借入利率年22.6%
エ利息の計算方法
前月27日の返済後の残元金に対し前月28日から当月27日までを1か月として計算する。
オ返済金の支払方法
毎月27日に会員の指定口座からの口座振替の方法により支払う。

(4) 被告は,原告に対し,平成3年8月吉日から平成16年1月吉日までの間,
本件基本契約1に基づき,原判決別紙計算表2②の「年月日」欄記載の各年月日に「借入金額」欄記載の各金員を貸し付け,
原告は,被告に対し,同計算表の「年月日」欄記載の各年月日に「弁済額」欄記載の各金員を支払った。
被告は,原告に対し,平成3年12月吉日から平成16年1月吉日までの間,
本件基本契約2に基づき,原判決別紙計算表2①の「年月日」欄記載の各年月日に「借入金額」欄記載の各金員を貸し付け,
原告は,被告に対し,同計算表の「年月日」欄記載の各年月日に「弁済額」欄記載の各金員を支払った
(以下,本件各基本契約に基づくそれぞれ一連の取引を「本件各取引」という。)。

2 本件は,被上告人が,上告人に対し,本件各取引のそれぞれにつき,
本件各基本契約に基づく各借入金債務に対する各弁済金のうち利息制限法1条1項所定の利息の制限額を超えて利息として支払われた部分
(以下「制限超過部分」という。)を元本に充当すると,過払金が発生し,
かつ,この過払金を同一の基本契約において弁済当時存在する債務又はその後に発生する新たな貸付けに係る債務に充当してもなお過払金が残存しているとして,
不当利得返還請求権に基づき,本件各取引において発生した過払金の支払等を求める事案である。

3 原審は,前記事実関係の下において,本件各取引はそれぞれが本件各基本契約に基づいて反復して行われた融資取引であること,
本件各基本契約においては借入金の利息や返済方法等の基本的な事項が定められていること,
本件各基本契約締結の際に重要な事項に関する審査は終了しており,各貸付けの際には事故発生の有無等の消極的な審査がされるにすぎないこと,
貸付けと返済は利用限度額の範囲内で頻繁に繰り返されることが予定されていることなどの本件各基本契約と各貸付けの性質・関係に照らすと,
本件各取引はそれぞれが全体として一個の取引であり,各取引内において,
被上告人が支払った制限超過部分が元本に充当された結果過払金が発生し,
その後に新たな貸付けに係る債務が発生した場合であっても,当該過払金は上記貸付けに係る債務に当然に充当されるものと解すべきであると判断して,
被上告人の上告人に対する不当利得返還請求を一部認容した。」

19.6.7 判決の上告人すなわち一審被告は本件被告株式会社オリエントコーポレーションであり,
当然,通常において契約に用いられる契約書は同じものと思われるので,本件の事実認定においても2件の契約はそれぞれが全体として一個の取引であると判断されるべきである。

7) 被告の主張(7)について
被告は「「過払金」そのものについて,「充当合意」がない以上その後に生じた新たな借入金債務に充当できないとされるのであるから」と主張するが,失当である。
本件の2件の契約においては過払金が発生した時点で他の債務は存在しているので当然充当とされるべきであり,
過払利息は過払金の果実であるので当然のように過払利息も充当されるべきである。
また,被告の主張のとおり,
過払い利息は当事者の合意,約定に基づいて発生するのではなく,
法律の規定に基づいて発生するのであり,当事者の意思は無関係であって,
当事者の意思や合意が介在する余地はない。
したがって,過払利息に関しては充当合意など存在するはずもなく,過払い金が充当されるのならば同じく当然のように充当される。
本件において「ある期間に発生した過払金及び過払利息を後に発生した新たな借入金債務に充当することはできない」と主張することは全く無意味である。
本件では過払金発生時点で他の借入金債務が存在しているので、被告の主張の前提条件はあてはまらない。

第2 不法行為について
1 みなし弁済の不成立について
 ①利息制限法計算シート上の過払金について
被告は,被告提出の利息制限法計算シート(乙3及び乙4)において,過払金が発生していることを認めている。
このことは,被告が過払金が不当利得であることを自白したことに他ならない。すなわち,過払金を被告が保持する法的理由がないことを認めたと解するべきである。
また,この法的理由は何らかの理由で消滅したとは考えられないので,遅くとも過払い金発生時には存在しなかったと考えるのが合理的である。
よって被告には過払い金発生時から過払金を保持する法的理由がなかったといわざるをえない。
 ②要件を満たしていないことについて
貸主が利息制限法超過部分の利息を受領するには一定の要件を満たさなくてはならない。これについては被告も準備書面にて認めている。
以下,被告の準備書面から引用する。
「また,本件の2件のカード契約に基づく取引当時,貸金業法43条1項により,
制限超過部分についても一定の要件の下にこれを有効な利息の弁済とみなす制度が存在し,
当該制度の適用を前提として取引が行われていたから」(以下,当該制度を「みなし弁済」という。)
この一定の要件を満たしていないことは被告自らが認めている。

②JUカード契約申込書について
本件の2件の契約のうち先行するJUカード契約において,契約締結時に借主である原告が利息制限法超過部分の支払いに任意であったとはいえない。
被告も準備書面にて認めるとおり,JUカード契約は,必ず,自動車販売店を通じて申込みが行われるものである。
申込み窓口である自動車販売店がみなし弁済の規定を知っているとは考えられない。
何故ならば,JUカード契約は自動車の購入を希望する者が自動車代金の分割払いを期待して契約を締結することがほとんどであり,
それは被告が「必ず,自動車販売店を通じて申込みが行われる」と説明していることから明らかである。
自動車の購入を希望する者に対して自動車販売店がみなし弁済の規定を説明するとは社会通念上考えられないので,
自動車販売店では借主がみなし弁済に任意であったことなど確認できるはずもなく,
本件においても原告はJUカード契約締結時に自動車販売店に対してみなし弁済について任意である旨告げてなどいない。
また,JUカード契約申込書には被告が契約締結時に契約申込者から受け取った書面を記載する「オリエントコーポレーション受取書面」欄があり,
そこには被告が他の書面を受け取ったという記載はない。
したがって原告がみなし弁済に任意であったことを証明する書面というものは存在しないことになる。
窓口である自動車販売店も貸主である被告も原告がみなし弁済に任意であったことを確認できる書面がない。
百歩譲って,契約申込み窓口である自動車販売店が口頭で原告がみなし弁済に任意であったことを確認し,
被告に口頭で告げたとしたとしても,
仮にも貸金業の許可業者である被告が強行法規である利息制限法を超過する利息を収受するのであるから,
あまりに杜撰といわざるをえない。

③アメニティカード契約について
アメニティカード契約についても,契約締結時に借主である原告がみなし弁済に任意であったとはいえない。
アメニティカード契約の申込書にも借主である原告がみなし弁済に任意であったことを確認する事項及び記載欄などなく,
原告がみなし弁済に任意であったという意思など窺われない。
また,アメニティカード契約申込書内の被告使用欄の契約管理種別が本社送付となっており,原告がアメニティカード契約申込書を被告の本社に郵送したことは間違いない。
被告が原告からのアメニティカード契約申込書を受け取ったときに,何らかの他の書面を受け取った事実はない。
これはアメニティカード契約申込書内の被告使用欄のオリコ受取書面から明らかである。
つまり,JUカード契約と同じく契約申込みの時点では被告は原告がみなし弁済に任意であったことを少しも確認していないことになる。

④要件を満たせないことについて
被告が本件について自ら利息制限法計算シートを提出し,みなし弁済の成立不成立を争わないのは,
被告自らが被告が専ら使用しているJUカード契約申込書及びアメニティカード契約申込書ではみなし弁済が成立しえないことを熟知しているからに他ならない。
何故なら上記で指摘したとおり両契約申込書では借主がみなし弁済に任意であったことなど貸主が把握することができず,
両契約申込書ともに金利は当初から契約申込書に印刷されているので借主は任意に金利を選択することなどできないからである。
重複するが,百歩譲って,JUカード契約申込時において契約申込み窓口である自動車販売店が口頭で借主がみなし弁済に任意であったことを確認し,
被告に口頭で告げたとしたとしても,また,アメニティカード契約申込時に電話などの通信手段を使用して借主がみなし弁済に任意であったことを確認したとしても,
仮にも貸金業の許可業者である被告が強行法規である利息制限法を超過する利息を収受するのであるから,
あまりに杜撰といわざるをえない。

2 悪意について
  被告は登録を受けた貸金業者であり,当然のように利息制限法及び貸金業法は熟知しており,
貸金業法43条の規定にあるみなし弁済の要件を満たさない限り制限利息超過部分の利息の受領が無効となることは知っていたはずである。もし知らなかったと主張するのならば,これは重大な過失である。
また,利息制限法は強行法規であるので,制限利息超過の利息の受領を認めているみなし弁済の規定は厳格に遵守されるべきであることも当然熟知していなければならない。
そのような立場の被告が本件取引において過払い金の受領権限が全くないことを知らなかったとは社会通念上考えられない。

3 支払い義務の不存在
  貸金業法43条に規定されるみなし弁済の要件を満たさない限り,強行法規である利息制限法で定められた制限利息超過部分の利息は無効である。
  本件の2件の契約に基づく取引においてはみなし弁済は成立しないことは被告提出の利息制限法計算シートにより明らかなので,原告には約定利息のうち制限利息超過部分の支払い義務はない。


4 違法性について
   本件の2件の契約においてはみなし弁済は成立しない。この事実は被告提出の利息制限法計算シートにより明らかである。
すなわち,被告が制限利息超過部分を保持する法的理由がない,法的受領権限がないことになる。
 みなし弁済の要件を満たさずに利息制限法に定められた利息を受領する行為は利息制限法及び貸金業法43条にも違反している。
利息制限法は罰則規定こそないものの強行法規であり,公序良俗に反するような任意規定から弱者を保護する目的で定められた法である。
この利息制限法に違反している限り違法性を帯びているという指摘は正当である。また,貸金業法43条の違反にも罰則規定は存在しないが違反していることは事実である。
さらにいうなら被告は貸金業法第12条の6で規定される1「1.資金需要者等に対し,虚偽のことを告げ,又は貸付けの契約の内容のうち重要な事項を告げない行為」
乃至4号「4.前3号に掲げるもののほか,偽りその他不正又は著しく不当な行為」に違反していることは明らかである。
さらにさらに被控訴人は民法1条2項「権利を行使し,義務を履行するに当たっては,相手方との信頼関係を尊重し信義に従い,誠実に実行しなければならない。」この規定にも違反している。
財物の交付を受けた者が,自分にそれを正当に受領する権限がないことを知っていた場合,受領者には,交付者に対し,自らに受領権限のないことを告知する信義則上の義務が生ずる。
被告はこの義務を怠った,すなわち民法1条2項の規定に違反したといえる。
よって被告は利息制限法,貸金業法,及び民法,いずれにも違反している。客観的に見て「違法性はあった。」と解するべきである。

5 不法行為について
 「4 違法性について」で述べたとおり, 財物の交付を受けた者が,自分にそれを正当に受領する権限がないことを知っていた場合,受領者には,交付者に対し,自らに受領権限のないことを告知する信義則上の義務が生ずる。
この義務に違反して交付物を領得した者には,不作為による不法行為が成立する。
刑事法の世界では,相手方が錯誤によって釣り銭を余計に出したことを知りながら,その旨を告げないで受領する行為,いわゆる釣り銭詐欺は,不作為によって人を欺く行為に当たるとされている
(大阪地判昭和44年3月26日判タ239号295頁。なお,神戸地決昭和63年9月30日判タ687号260頁,神戸地決昭和63年11月21日判タ700号252頁)。
これは,交付者が自己に対し,受領権限のない金員を交付してきた場合,それに気付いた受領者は,交付者にその旨を告知する,条理上・信義則上の義務があるという解釈に基づくものである。
釣り銭詐欺と本件において,この点について全く違いはなく,釣り銭詐欺の事案で告知義務が認められるのであれば,本件でも告知義務が認められなければならない。
6 原告の損害について
制限利息超過部分の支払には法的に支払い義務は存在しない。この金銭の支払は原告の金銭的損失に他ならない。よって法律上の損害にあたる。
   また,金額においては不当利得の金額と同額である。
7 加害行為について
   被告の不作為の行為(「5 不法行為について」で述べたとおり)により,原告は損害を被った。この事実は明らかであるので,被告の不作為の行為は加害行為である。
8 加害行為と損害の因果関係について
   「7 加害行為について」で述べたとおり,明らかである。
9 不法行為の時効について
    不法行為による損害賠償請求権の時効は民法724条により「損害及ヒ加害者ヲ知リタル時ヨリ三年間」と規定されている。(以下「時効の前段の規定」という。)
   原告が損害を知ったのは,取引履歴を基に引直計算をした時であり,被告から取引履歴を入手したのは平成22年秋頃である。その日から3年を経過していない。
損害賠償請求権は時効により消滅していない。
10 平成21年9月4日最高裁判決について
被告も引用しているとおり平成21年9月4日最高裁判決(以下,「21.9.4 判決」という。)では以下のように判示している。
「一般に,貸金業者が,借主に対し貸金の支払を請求し,借主から弁済を受ける行為それ自体は,当該貸金債権が存在しないと事後的に判断されたことや,
長期間にわたり制限超過部分を含む弁済を受けたことにより結果的に過払金が多額となったことのみをもって直ちに不法行為を構成するということはできず,
これが不法行為を構成するのは,上記請求ないし受領が暴行,脅迫等を伴うものであったり,貸金業者が当該貸金債権が事実的,法律的根拠を欠くものであることを知りながら,
又は通常の貸金業者であれば容易にそのことを知り得たのに,あえてその請求をしたりしたなど,その行為の態様が社会通念に照らして著しく相当性を欠く場合に限られるものと解される。」
この判決を鑑みるに,本件の2件の契約に基づく取引においては,貸金業者である被告がみなし弁済など成立しようのない契約と知りながら契約を締結し利息制限法超過部分の利息を受領した,
あるいは,通常の貸金業者であれば容易にそのことを知り得たのに,あえてその請求をし,あまつさえ利息制限法超過部分の利息を受領したのであるから,
被告の行為は21.9.4 判決に倣い,不法行為であるとの判断が下されるべきである。

11 平成18年1月13日以降の弁済について
平成18年1月13日最高裁判決(以下,「18.1.13 判決」という。)は以下のように判示している。
「本件期限の利益喪失特約の下で,債務者が,利息として,利息の制限額を超える額の金銭を支払った場合には,
上記のような誤解が生じなかったといえるような特段の事情のない限り,債務者が自己の自由な意思によって
制限超過部分を支払ったものということはできないと解するのが相当である。」
すなわち,期限の利益喪失特約条項のある金銭消費貸借契約においては借主がみなし弁済に任意であったとはいえないのである。
被告は貸金業者であるので当然のように18.1.13 判決を知っており, 18.1.13 判決以降は期限の利益喪失特約条項のある契約書を従前とおり使用したままでは
利息制限法超過部分の利息を受領することができないことも知っていたはずである。
万が一,故意あるいは過失により知らなかったとしても利息制限法超過部分の利息の受領が許されるはずがない。
被告がJUカード契約締結当初からみなし弁済の規定を遵守せずに利息制限法超過の利息を受領することを期待したという行為が不法行為であるという原告の主張が認められないとしても,
平成18年1月13日以降の利息制限法超過部分の利息の受領は貸金業法43条及び利息制限法に抵触していることは間違いない。
また,被告は準備書面において
「(なお,被告は平成19年4月1日以降の貸付け取引においては,すべて利息制限法所定の制限利息の範囲内で貸付けを行い弁済を受けている。)」などと主張するが,
本件の原告と被告との間の取引においても利息制限法所定の制限利息で弁済を受領してことを何ら立証しない。
被告が発行する取引履歴は残高の記載がないので,被告の,被告が約定利息で請求していたという主張は提出された書面では立証することができない。
したがって被告の主張を認めるわけにはいかない。
被告が平成19年4月1日以降,制限利息での請求,受領をしていたというのならば何らかの証拠を提出し立証説明するべきであり,
立証説明できないのならば平成19年4月1日以降も利息制限法を超過する利息を受領していたと断ずるしかない。

12 まとめ
被告の行為は不法行為以外のなにものでもなく,被告は,原告に対して,原告が被った損害(過払い金相当額)を賠償しなければならないという原告の主張はまさに正しく,被告はその支払を免れない。
本件の2件の契約に基づく取引に関しては契約締結当初からみなし弁済が成立せず,法的受領権限など存在しなかった。
また,自らに法的受領権限のないことについて被告は悪意であった。
百歩譲って,悪意でなかったとしても,法的受領権限のないことを知らなかったというのは過失である。
したがって本件について被告の過払金を受領するという行為は不法行為以外のなにものでもない。

第2 不当利得について
1 過払金について
被告は,被告提出の利息制限法計算シート(乙3及び乙4)において,過払金が発生していることを認めている。
本件の2件の契約に基づく取引において過払い金が発生していることについては原告,被告ともに争いはなく,

2 充当について
「2) 被告の主張(2)について」及び「3) 被告の主張(3)について」並び「4) 被告の主張(4)について」
「5) 被告の主張(5)について」, 「6) 被告の主張(6)について」,「7) 被告の主張(7)について」で述べたとおり,
2つの契約に基づく取引において発生した過払金の相互に充当する計算が認められない理由は存在しない。

3) 請求の原因に対する認否2(3)について
① 請求の原因に対する認否2(3)①については,本準備書面後段 原告の主張 により反論する。
② 請求の原因に対する認否2(3)②前段について,最高裁平成21年9月4日判決の判示内容は認める。
また,被告が「本件においては,被告が原告に対して貸金の請求を行ったり弁済金を受領するに際して暴行や脅迫等が伴っていたということはあり得ない」と主張するとおり,被告の請求や弁済金の受領には何らの暴行や脅迫等もなく,頗る紳士的であったことも認める。
③ 請求の原因に対する認否2(3)②後段については,本準備書面後段 原告の主張 の中にて反論する。

4) 請求の原因に対する認否2(4)について
被告が指摘するとおり引直計算に誤りがあったことは認める。
原告の請求する損害賠償の金額は過払い金と同額であるので損害賠償の金額に誤りがあることも認める。
正確な金額については後日提出する。


2 被告の準備書面(2)について
一部認め,一部争う。
「3 入金に関するもの」についてだけ争う。
旧貸金業法に規定がないからといって利息以外の受領が認められていたわけではなく,
利息以外の名目の金員の受領を規制していたのは改正前の出資法第5条7項である。
利息制限法及び出資法が規制の対象とする利息とは元本使用の対価であり、
貸付額と貸付期間とに比例した金銭その他の代替物であるので,その他の名目の金員の受領を認めると結果として
利息制限法で定めるところの上限金利を逸脱することになるので許されない。
「3 入金に関するもの」以外は被告の指摘のとおりである。
なお,間違いを訂正した引直計算書については後日提出する。

1) 被告の主張(1)について
認める。
被告が確認したとおり,
原告と被告との間の金銭消費貸借契約は,
アメニティカードという名称のカード契約(契約番号9881-4桁-4桁-4桁。
以下,「アメニティカード契約」という。)と,
JUカードという名称のカード契約(契約番号4937-4桁-4桁-4桁。
以下,「JUカード契約」という。)の2件である。

2) 被告の主張(2)について
被告はアメニティカード契約とJUカード契約とを契約の締結時期,契約に至るまでの手順,
契約内容の相違をもって別個の契約であると主張するが失当である。
以下,説明する。

①契約の締結時期について
JUカード契約申込日時が平成8年11月吉日であり,アメニティカード契約の申込日時が平成9年1月吉日である。(乙2、乙1)

②契約に至るまでの手順について
被告の準備書面から引用するJUカード契約の手順は以下のとおりである。
「JUカード契約は、自動車購入の際に同時にカード契約も締結する形態となっており,必ず,自動車販売店を通じて申込みが行われるものである。」
したがってJUカード契約を申込む者は必ず自動車の購入を希望する者である。
また,アメニティカード契約の手順は
「契約者が被告の支店等に来店するかもしくは郵送等で直接被告に契約締結の申込みを行う」となっている。
本件の2つの契約においても,先行するJUカード契約は自動車販売店を通じて申込みが行われており,
アメニティカード契約は原告から被告の本社に申込書を郵送することによって申込みが行われている。

③契約内容の相違について
被告は契約内容に相違があったかのように主張するが,本件について争われているのは金銭消費貸借契約の履行中に発生した過払い金についてであるので,
金銭消費貸借に関する契約の内容を論ずるべきであるが具体的な相違を指摘しない。

④金銭消費貸借に関する契約の内容について
JUカード契約に含まれている金銭消費貸借に関する契約の条項(以下,この条項を「本件基本契約1」という。)の内容は,次のとおりである。
ア借入方法
会員は,借入限度額の範囲内において1万円単位で繰り返し被告から金員の借入れをすることができる。
イ返済方法
指定された回数に応じて毎月同額の元本及び利息を分割して返済する方法(いわゆる元利均等分割返済方式),
毎月末日の借入残高に応じて定められる一定額を返済する方法(いわゆる残高スライドリボルビング方式)
又は1回払の方法の中から会員が選択する。
ウ借入利率
元利均等分割返済方式による借入れにつき原則として年25.3%,
残高スライドリボルビング方式による借入れにつき原則として年25.8%とする。
エ利息の計算方法
前月27日の返済後の残元金に対し前月28日から当月27日までの実質年利(日割計算)を乗じて算出する。
オ返済金の支払方法
毎月27日に会員の指定口座からの口座振替の方法により支払う。

また,アメニティ契約の内容は,次のとおりである。
ア借入方法
会員は,借入限度額の範囲内において1万円単位で繰り返し上告人から金員の借入れをすることができる。
イ返済方法
翌月に一括して返済する方法又は毎月の借入残高に応じて定められる一定額を返済する方法
(いわゆる残高スライドリボルビング方式)のいずれかから会員が選択する。
ウ借入利率年25.0%
エ利息の計算方法
前月27日の返済後の残元金に対し前月28日から当月27日までを1か月として計算する。
オ返済金の支払方法
毎月27日に会員の指定口座からの口座振替の方法により支払う。原則として年25.8%とする。
エ利息の計算方法
前月27日の返済後の残元金に対し前月28日から当月27日までの実質年利(日割計算)を乗じて算出する。
オ返済金の支払方法
毎月27日に会員の指定口座からの口座振替の方法により支払う。

⑤アメニティ契約について
JUカード契約とアメニティ契約とを金銭消費貸借に関する契約の内容について論じた場合、金銭消費貸借に関する契約の内容については共通する事項が多く,
金銭消費貸借に関しては,この2件の契約は同じ契約であるといわざるをえない。
つまり,アメニティ契約とは先行するJUカード契約の金銭消費貸借の借入限度額の増枠のためにのみ成された契約であるとの指摘は免れない。
この指摘がまさに正しいことは,アメニティカード契約の申込書に,先行するJUカードと同じく被告の春日井支店において「入力済」との印が押されているということからも証明される。
原告から申込書を被告の本社に郵送にて送付することにより申し込まれたアメニティカード契約が春日井支店扱いとされていることは先行するJUカード契約が存在するからに他ならない。
(アメニティカード契約申込書内の被告使用欄の契約管理種別が本社送付とされていることから明白である。乙1)
また,アメニティカード契約申込時に被告が受け取った書面はアメニティカード契約申込書だけであり,
原告の勤務年数もJUカード記載と異なり,アメニティカード契約申込時に新規契約と同等の審査があったとはいえない。
これは,すなわち,アメニティカード契約とは,原告と被告との間で先に締結されたJUカード契約の中の金銭消費貸借に関する条項を基本契約とし,
JUカード契約の中の本件基本契約1の借入限度額の増枠に他ならない。

3) 被告の主張(3)について
被告は長々と平成19年2月13日最高裁判決(以下,「19.2.13 判決」という。)を引用し自説を展開するが,主張自体失当である。
確かに19.2.13 判決は以下のように判示している。
「貸主と借主との間で基本契約が締結されていない場合において,第1の貸付けに係る債務の各弁済金のうち利息の制限額を超えて利息として支払われた部分を元本
に充当すると過払金が発生し(以下,この過払金を「第1貸付け過払金」という。),その後,同一の貸主と借主との間に第2の貸付けに係る債務が発生したと
きには,その貸主と借主との間で,基本契約が締結されているのと同様の貸付けが繰り返されており,第1の貸付けの際にも第2の貸付けが想定されていたとか,そ
の貸主と借主との間に第1貸付け過払金の充当に関する特約が存在するなどの特段の事情のない限り,第1貸付け過払金は,第1の貸付けに係る債務の各弁済が第2
の貸付けの前にされたものであるか否かにかかわらず,第2の貸付けに係る債務には充当されないと解するのが相当である。」
しかしながら本件に19.2.13 判決を引用するには論理的矛盾がある。
以下,19.2.13 判決から引用する。
「第1の貸付けに係る債務の各弁済金のうち利息の制限額を超えて利息として支払われた部分を元本
に充当すると過払金が発生し(以下,この過払金を「第1貸付け過払金」という。),その後,同一の貸主と借主との間に第2の貸付けに係る債務が発生したと
きには,」
つまり,19.2.13 判決で争われた事案では第1貸付け過払金が発生した時点では第2の貸付けに係る債務は存在していなかったという条件の事案である。
このことは19.2.13 判決文から明らかである。以下,再び19.2.13 判決より引用。
「ウ被上告人は,平成5年4月26日から平成15年12月19日までの間,上告人に対し,本件第1貸付けに係る債務の弁済として,原判決別紙利息制限法計算
書1の「年月日」欄記載の各年月日に,「弁済額」欄記載の各金銭を支払った。
エ上記ウの各弁済金のうち利息の制限額を超えて利息として支払われた部分を元本に充当すると,平成8年10月31日以後,過払金が発生している。」
「(3)ア上告人は,平成10年8月28日,被上告人に対し,100万円を次の約定で貸し付けた(以下「本件第2貸付け」といい,これと本件第1貸付けとを併
せて「本件各貸付け」という。)。」
第1貸付け過払金が発生したのは平成8年10月31日であり,第2の貸付けに係る債務が発生したのは平成10年8月28日である。
すなわち,第1貸付け過払金が発生した時点では第2の貸付けに係る債務は存在していなかった。
本件において,19.2.13 判決でいうところの第1貸付け過払金が発生したのは,少なくとも平成11年8月27日であり,
その時点で19.2.13 判決でいうところの第2の貸付けに係る債務であるアメニティカード契約の債務は存在していた。(乙4及び乙3)
したがって本件において19.2.13 判決を引用すること自体,失当であるといわざるをえない。
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